東京駅近くの三菱一号美術館で開催されている『画鬼暁斎』。河鍋暁斎の代表作が一挙に見られるのがありがたい。また明治時代のお雇いイギリス人・コンドルとの交流、コンドル自身が描いた暁斎風の絵も展示されていた。
コンドルは当初こそ日本マニアの変わった外国人だったのであろうが、暁斎に弟子入りし、日本人の妻を娶り、生涯を日本で過ごした。本業の建築家として、鹿鳴館や三菱一号館を設計した。
暁斎は幕末から明治にかけて活躍した絵師で、狩野派の流れをくみながらも、独特のユーモアセンスが評価されている。例えば猫であっても以下のようになる。
ほかにも妖怪、狸、蝉を獲る布袋さんなどもあったが、思いの外見応えがあったのが、春画である。
多分当時の人々からは実用性がない作家としてみられていたのだろう。エロ劇画界でいえば、巨乳すぎてわけがわからない羽中ルイ(藤子スタジオで働いていたとか)、ストーリーが過激すぎる早見純、シュールな絵柄のむら・むらなどだ。後世評価されるのはこういう作家なのだ。
三菱一号美術館 『画鬼暁斎』は9/6まで
http://mimt.jp/kyosai/
さらに高円寺でChim↑Pom(チンポム)の『堪え難きを耐え ↑ 忍び難きを忍ぶ 展』を見に行った。
Chim↑Pomは2005年から活動するアーティスト集団で、その10周年記念の展示であった。
広島の空に『ピカッ』と描いたり、ネズミをつかまえる『スーパーラット』が動物愛護団体から抗議を受けたり、賛否両論が多い問題児集団でもある。
たしかに人の神経を逆撫でするような作品も多いが、その後広島の人たちと仲良くなったりもしているようなので、耳目を集める意味ではまさに現代アート活動をしている。
写真は『堪え難き気合い』福島の瓦礫近くでひたすら気合いを入れ叫ぶ映像作品だ。
これすら海外の「放射能、福島、慰安婦、朝鮮……」などのNGワードにひっかかるらしく展示内容を替えさせられたらしい。
なんでもかんでもダメと規制される世の中なんだから、Chim↑Pomがせめて作品発表を続けていけるぐらいになってほしい。
Chim↑Pom公式サイト 展示は8/15まで
http://chimpom.jp/jp/
■tocanで中村淳彦さんをインタビューさせてもらった。
以前から薄くつながりはあったのだが、ちゃんとお会いしたのは初めて。
AVから介護業界、ブラック企業のポエムと中村氏の先を見通す力に驚愕した。
前後編なのでゆっくり読んでほしい。
『AV、介護、ブラック企業を貫く“ポエム問題”をノンフィクション作家・中村淳彦が語り尽くす!!』
http://tocana.jp/2015/08/post_6957.html
『「介護業界の恐ろしさは底なし」AV業界もビックリの地獄が広がる介護業界を中村淳彦が語る』
http://tocana.jp/2015/08/post_6962.html
ちなみに後編は公開から2週間ほどずっと人気記事でかなりバズられてるみたい。
最近良く『バズる』って言葉を聞くような気がする。意味はツイッターやFacebookで広まって、たくさんの人の話題になるということらしい。
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